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2023年度第4回採集観察会の報告

期 日:2023年10月6日(金)
場 所:三重県南牟婁郡紀宝町神内 神内神社(こうのうちじんじゃ)周辺
参加者:貝發憲治,加藤修朗(2名)

 今回は三重県最南端の紀宝町で貝發先生と加藤の2名で調査を実施した.場所は神内神社周辺で杉林に囲まれた里山だが,肝心の神内神社内の樹叢は三重県の天然記念物として指定されているため神社内での採集はできない(一見してキノボリトタテグモが居るはずと思える雰囲気がある). 採集は駐車場から用水路沿いに水田へと向かいながらおこなった.橋の下を覗き込んでいると地元の老夫婦が声を掛けてきたので三重県RDBでクモの調査をしているとなど,お話をした(普段名古屋市内で調査をすることが多いので声を掛けられたら必ず丁寧に対応する癖がついている.邪険にすると森を荒らしていると通報される心配があるからだ).

カラスハエトリ  少し進むと神社の向かい側に薄暗い石垣があったのでライトを照らして観察をするとヤマウズグモやヤミサラグモが多数確認できたので次々と採集をした.さらに進み水田前の草地を叩いてみたらカラスハエトリ雄成体を捕まえることが出来た.カラスハエトリ類は何回見つけてもうれしくなるのは私だけだろうか?水田を抜けて杉林を登って行ったが草刈り後で林道はさっぱりとしていて採集できたのはアオオニグモぐらいであった.それでもビーティングをするとカメムシが多く取れたのでジョロウグモの網に投げ入れて反応を確認してみた.前にも一度試してみたのだが今回も臭いを気にとめるようすもなく咬みつき捕帯でラッピングをした.カメムシは身を守るために異臭を放つというが,クモにも効果がないのであろう.“クモにも”と書いたのはニホンザルがカメムシを食べていると教えて頂いたことがあるからだ.クモにもニホンザルにも効かない異臭は身を守るためにどれ程役に立っているのか疑問だが,カメムシを摘まんだ私の右手はしばらく異臭を放つことになり不快感を覚えた.人間に有効なのは確かである.水田なのにナガコガネグモを採集していないと気が付いたので雄はないかと探してみた.ジョロウグモも同じであるが大きなクモは液浸標本にするのに大きなスクリュー管を必要とするので(費用が高い)できるだけ雄のみを採集することを心掛けているが,記念撮影時期が遅かったのだろう雄は見つからなかったので仕方なく雌を採集した.

   名古屋へ戻るのに5時間程かかるので本日は早めに切り上げて駐車場に戻ったが,愛車が銀杏の爆撃を受けていた.気が付かずにイチョウの樹のしたに停めてしまったのだ.次回からは駐車時には回りの確認を怠らないようにと反省をしながら帰路についた.
              [加藤 記]


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