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2022年度第2回採集観察会の報告

期 日:2022年6月19日(日)
場 所: 伊勢市朝熊町中谷
参加者:貝發憲治,加藤修朗,熊田憲一,塩崎哲哉,橋本理市(5名)

採集場所は相生神社より鳥羽松阪線(県道37号線)を東へ1km程進んで右折して農道に入り込んだ場所である。住所としては伊勢市朝熊町中谷で,国土地理院Web地図の緯度経度は(34.476416,136.780397)である。

記念撮影 当日は晴れ、とにかく暑い・・あちらこちらに石垣が積み上げられていたので元は水田か畑であったのであろう、今は耕作放棄地となっている。石垣でナンブコツブクモを採集しようと格闘するが取り逃がしてしまった。私は石垣での採集がどうも苦手だ、クモも石の隙間が安全であると心得ているので始末が悪い。気温がグングンと上昇して来たので、私は川の中に逃げ込んで採集を続けることにした。さすがに川の中に入ると足元から冷気が伝わりほっとする。川の両岸も石垣が積み上げられていて、ヤマウズグモの集落となっていたが、それ以外の大物はオオシロガネグモしか視界に入らなかった。しばらく川の中を下っていくと、木の根元の窪みにコアシタカグモの雄成体を見つけたが、捕虫網が入らない場所なので素手で掴み取るしか方法がないと思った。すばしっこいコアシタカグモを素手で掴み取る自信がないが、ダメ元で挑戦してみたところ捕獲に成功した。後で分かったのだが、どうも脱皮直後でコアシタカグモの動作が鈍かったようだ。

すでに愛知県平野部ではコガネグモ科(コガネグモ、コガタコガネグモ、ムシバミコガネグモetc)のクモの成体や亜成体が見つかっているが、伊勢市朝熊町で発見することが出来なかったのは不思議に感じた。川の中での採集を1時間程で切り上げて、裸地での採集に変更することにした。残された採集時間が少ないのでコモリグモの採集に専念することにしたが、すばしっこく逃げ回るコモリグモを追い回すのは大変疲れる。ピットホールトラップを仕掛ければ楽に採集が出来るのであろうが、数日後に回収に戻ってくる必要があるので遠地での採集方法としては不向きである。他に良い方法(楽な方法)が有れば教えて頂きたい。

記念撮影 本日の採集会は午前中のみの予定なので12時を過ぎると皆が随時集合場所に戻って来た。今回は貝發先生がヒルの餌食になったが、草むらのスイーピングで大量のマダニが捕虫網の中に入ってくることからも、ここでも鹿が多く繁殖しているのだな・・と心をよぎった。午後は三重クモ談話会の今後の運営方針についての話し合いが行われた。

採集時間が2時間と短かったので、7月1日に個人的に再調査を実施したが、あまりの熱さで手元が狂い2回採集ビンを落下させ、大半の標本を魚の餌としてしまった。この日はマメイタイセキグモを採集することが出来たが、希少種なので別の採集ビンに入れていたのが幸いして紛失は免れた。これから夏本番となることから、熱中症に十分に注意を払う必要を感じた。                         (加藤 記)


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