ホーム談話会について活動の記録会誌「しのびぐも」観察と採集三重県産クモ類目録クモ図鑑リンク

2019年度第4回採集観察会の報告

期 日:2019年11月9日(土)−10日(日)
場 所:三重県御浜町阪本の里山
参加者:
 
11月9日:貝發憲治,加藤修朗,塩崎哲哉
11月10日:貝發憲治,加藤修朗,熊田憲一

2019.11.09
本日は三重県内の道の駅で予てから気になっていた「めはりずし」を食べてみました。味は塩漬けの葉っぱで包んだ具無しおにぎりといったところでしょうか?これで今回の採集会の目的の一つは達成したと思いつつ、予定通り折山神社に到着しました。何時もの如く、すでに貝發先生が採集をされていました。今日の参加予定者は2名のみで、貝發先生は川沿いに手を着けていないようなので、私は川沿いを探すことに決めました。

里山の風景
さすがにこの時期では大物は見つからないと思っていましたが、始めると直ぐに同一箇所でオオクマヤミイロオニグモが多数見つかったのは驚きでした。群れる習性でも有るのでしょうか?引き続き川沿いの杉林に沿ってクモの潜んでいそうな崖の窪みを次々に探すと、カラカラグモらしいクモを発見、それも2頭で居ます。もしかして雌雄成体かもと喜んで採集し、じっと目を凝らして触肢を確認すると、残念ながら若グモと判りました。ユノハマサラグモやムツボシオニグモ、デーニッツハエトリ・・河原の石をひっくり返してコモリグモを採集するも、どれも幼体ばかりです。木の枝に目を移すとクスミサラグモの成体らしい雄を見つけたので採集(自宅で調べたら亜成体でした)したものの、その後も採集するクモは幼体ばかりで目ぼしい成果はありませんでした。気がつくと早くも夕方になっていました。神社に戻ってみると貝發先生より、先ほどまで塩崎先生が居たが自治会の用事があるので帰られたとのことでした。名産のミカンを頂いたそうで、私もご相伴にあずかりました。陽も傾き肌寒くなったので本日はここまでで打ち切ることにしました。

夕食を済ませた後に貝發先生と情報交換(一方的に頂きましたが・・)の中で、来年1月の名古屋市で開催される展示会(あいち・なごや生物多様性EXPO)にご協力のお願いしたところ、展示品の貸出を快諾して頂けたので大変助かりました。

2019.11.10
翌朝折山神社に到着すると熊田先生が身仕度を整えている最中でした。丁度良いところと思い、昨日見つけて解らなかった網(木の幹からコンクリートの土台に斜めに張られたシート網です)の主について質問させていただきました。たぶんアシヨレグモだよと即答されて、驚きと同時にやったとの思いが湧いてきました。以前からアシヨレグモを探していたのですがどうしても見つけることができなかったからです。しかも名古屋市内の緑地公園では同じ網を多数見つけていたのですが、成体が採取出来なくて困っていました(この主は日中樹皮の奥に隠れていて夜間しか網の中に出てきません。夜間観察で採集はしていますが何時も幼体なので同定出来ず悩んでいました)。熊田先生によれば秋に成体になるそうです。たしかに真冬の星空の下で観察はした事はありません。名古屋に戻ってからすぐに自宅近くの明徳公園へ向かいました。皿網の張られている場所は判っていますので、クモを見つけると手を伸ばして「むんず」と鷲掴みで採集、調べてみるとアシヨレグモの雌成体と判明。私のmottoは「冬の夜間観察はしたくない」でしたが少し考えを改める必要があるようです。

アメイロハエトリ ナンブコツブグモ オオクマコブヌカグモ 本日は山に入ってリターを調べることにしました。林道沿いのリターではこの時期でもクモを採集することは容易に出来ますが、とても小さくて地味なやつばかりです。目視で同定できるクモはほとんど見つかりません。その割にしゃがみ込んだり立ったりを何度も繰り返しての作業なのでかなり疲れます(軽いヒンズースクワットです)。費用対効果の悪い作業に思えました。お昼近くになったので神社へ戻り、休憩所で採集した蜘蛛を熊田先生に見て頂くと、アメイロハエトリが入っているねと一言。私も改めて覗き込んでみるがアルコールが濁ってアメイロには見えません。以前緒方さんにゴミは丁寧に分けて吸い込むようにと注意されたことを思い出し反省しています。

軽い昼食とクモ話をして集合写真を撮影。今年はこれで終わりかと思い集落に目を向けると、美しい里山の風景が飛び込んできました。稲刈りも終わり冬の足音がザクザクと聞こえて来るような気がしました。今年一年色々と教えて頂いた三重クモ談話会の皆様と里山に感謝致します。自宅に戻ってからクモたちの同定に着手したのですが、相変わらず不器用で、ナンブコツブグモの背中を誤ってピンセットで刺してあわわ!!と叫びながら作業をつづけております。【文・写真 加藤】

 


このページのトップへもどる

活動の記録へもどる

ホームページ トップへもどる

inserted by FC2 system