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2012年度合同合宿+αの報告

期 日:2012年7月27日(金)〜29日(日)+30日(月)
場 所:







27日夜間:岐阜県高山市宗猷寺町
28日午前:岐阜県高山市奥飛騨温泉郷中尾 足洗谷
28日午後:岐阜県高山市奥飛騨温泉郷 栃尾河川敷公園
28日夜間:岐阜県高山市城山 高山城跡
29日午前:岐阜県高山市一之宮町 宮川ダム下
(以下,合宿終了後,有志で行った調査)
29日午後:岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯
30日午前:岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯
参加者:橋本・貝發・塩崎

第1日目 7月27日
 7月27日〜29日の3日間,東京蜘蛛談話会の初芝さんのお世話で,東京蜘蛛談話会,中部蜘蛛懇談会,関西クモ研究会,三重クモ談話会の4団体合同の合宿が計画され,参加した.前回は,1993年に我が熊野で行われて以来であるから,19年ぶりの合同合宿である.今回は岐阜県高山市での開催である.

 朝8時過ぎ自家用車にて出発.三百数十キロの道のりをおよそ7時間かけての遠征である.宿舎に到着し,玄関を入ると東京クモ談話会の貞本さんがロビーでたばこを吸っている.さっそく挨拶する.フロントで受付をすると,貝發さん,貞本さん,中部蜘蛛の村上さんと同室である.貝發さんはすでに到着している夕食風景ようであるが,出かけているらしい.やがて貝發さんが町を散策してきたとのことで,汗びっしょりになって帰ってくる.16時から,今回の合宿のお世話をして頂いた初芝さんの部屋で自己紹介と日程等の打合せ確認.外は時折,強いにわか雨がふったりしている.
 夕食後,幸い雨も止んだので,近くの宗猷寺町の谷筋の畑地等がある場所にて夜間調査をする.小屋の裏手で立派なオニグモが網を張っているのを見つけ,皆に紹介す蜘蛛談義る.柿の木だったかの葉裏でムツトゲイセキグモのような蜘蛛を見る.最近視力も衰え、また、少し高いところなのでよくわからない.緒方さんを呼んで確認してもらうと,たしかにムツトゲイセキグモであった.その他トリノフンダマシなどを観察しながら2時間ほどの調査のあと宿に戻る.風呂に入って,部屋でしばらくくつろいだ後,みんなが集まっている部屋に行くと,すでに蜘蛛合わせは終わっており,蜘蛛談義に花が咲いている.就寝したのは午前2時だった.

第2日目 7月28日
足洗谷での調査風景  起床,朝食後,車に乗り合わせて奥飛騨温泉郷の足洗谷へ向かう.1時間あまりかかって足洗谷に到着,林道の車止めのある空き地に駐車する.調査地は沢沿いに林道が登っている.昼までの予定で,それぞれ林道沿い、沢の中と思い思いの場所で調査する.私は午前中は焼岳登山口の標識のあるところまで、林道沿いを中心に調査した.クマダギンナガゴミグモや笹の葉を折り曲げた中に卵のうをガードしているシロタ足洗谷での調査風景マヒメグモ等を見る. 午後は,緒方さんの車の同乗者と私の車の同乗者は共にここに残って調査することに.他のグループは下流へ移動することになる.登山口の所の沢岸で弁当を食べる.女性グループはもう少し付近を調査するとのことなので,午後3時半に車の所へ集合することとして,男性陣は焼岳登山道を登りながら調査することに.時折山に向かう人,山から降りてくる人に出会う.途中の大きな岩の下のすき間の焼岳登山道にて暗がりに開こしきの円網を見る.主はいない.少し網がでかい感じがしたが、ヤマジドヨウグモだろうかなどと思いながら先へ進む.登山道沿いはずっとよく似た環境で,目新しい蜘蛛も見あたらないので,標高およそ1350mの所で引き返すことに.途中,先ほどの円網が気になり覗いてみると,大きな蜘蛛がとまっている.明らかにヤマジではない.サンロウドヨウグモだ.採集しようとすると,網の奥に逃げ込んでしまう.わずかなすき間からのぞき込み,中部蜘蛛の杉山さんにも手伝ってもらいながら,ようやっとで採集する.そこへ下の方で採集していた緒方さんも登ってくる.付近の同じような環境を調べると,さらにいくつかの網を発見する.サンロウドヨウグモがとまっている網もある.緒方さんも採集を試みるが逃げられてしまう.

 集合時間になったので駐車地に戻る.緒方車は先行していく.後で聞くと飛騨鍾乳洞に寄りサンロウドヨウグモを探したとのことだが,見つからなかったとのこと.途中,下流を調査していたグループと合流する.Aさんが携帯を落としたとのことで,探してからいくので先に行ってくれということなので,先導して宿に戻る.

 夕食後は高山城跡を夜間調査し,宿に帰って蜘蛛合わせ,蜘蛛談義とおきまりのコースである.差し入れの濁り酒をいただく.

第3日目 7月29日
 今日は昼まで一之宮の宮川ダム方面での調査である.朝食後車に分乗して向かう.宮川沿いの県道の空き地に駐車し,宮川に沿った県道を上流に向かって調査する.道はこの先で通行止めになっているらしく,車の通りは少ない.上流に向かって歩いていると,東京蜘蛛談話会の浅間さんが岩の積み重なりのあるところで,カラカラグモがいるとのことで写真を撮っている.近くの岩の隙間には円網もあるという.見ると,昨日見たサンロウドヨウグモの円網に似ている.付近を探してみると,同じような円網がいくつか見つかり,中にはサンロウドヨウグモのとまっているものもある.緒方さんが♂の写真を撮りたいと言っていたので呼びに行く.調べてみると,♀は成体になっているようだが♂はまだ幼体のようである.ここでの調査はおおかたこのサンロウドヨウグモに費やしてしまった.正午ころ調査終了.駐車地に集合して,クモ合わせをした後,3日間の合宿を終え解散となる.網の中のサンロウドヨウグモ


(以下,有志での調査報告)
 午後からは,緒方さんたち中部蜘蛛懇談会のメンバー4人が明日まで平湯方面で調査するとのことなので,同行することとし,平湯へ向かう.須賀さんと柴田さんは宿へ.緒方さん,杉山さんと私の3人は近くの空き地に車を停める.夕食までに時間があるので,付近を調査する.オニグモ,シロタマヒメグモ,コオニグモモドキ,タカユヒメグモ等を観察する.流れている川から少し離れたところでドヨウグモの仲間を採集する.キタドヨウグモかと思ったが,自宅に帰って検鏡すると,メガネドヨウグモだった.2時間近く調査したあと車に戻り,とりあえずバスターミナルにある風呂に入ろうと行くが,すでに終了したとのことなので、隣の平湯の森の温泉に入る.いくつもの露天風呂が並んでおり,多くの入浴客でにぎわっている.入浴後,先ほどの空き地に戻り,今夜はここに泊まることとし,近くの食堂へ夕食を食べに行く.ビールで乾杯し,飛騨牛の焼き肉定食を食べる.車に戻り,寝床を整え,早々に眠りにつく.

第4日目 7月30日
調査した森の中  6時過ぎ起床.杉山さんがコーヒーを入れてくれる.8時に須賀さんたちと落ち合うこととし,それまで付近を調査する.緒方さんからキハダキヌキリグモを教えてもらう.大木のふわふわっとした苔の中にひそんでいるが,よく見ないとなかなか見つけられない.まだ幼体のようだ.やがて須賀さんたちと合流し,付近の森の中を調査する.大変気持ちのいい森で,遊歩道に沿って昼まで調査を行う.昨日と同じ食堂で昼食をとり,解散となる.帰路,途中で仮眠を取ったり夕食を取ったりで,家に着いたのは21時過ぎであった.

 今回の合宿では,初めて観察するクモに出会ったり,また,いろんな人と話をしたりで,大変充実した,そして楽しい4日間であった.  [塩崎記]


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