ホーム談話会について活動の記録会誌「しのびぐも」観察と採集三重県産クモ類目録クモ図鑑リンク

2021年度第2回採集観察会の報告

期 日:2021年6月20日(日)
場 所:三重県多気郡多気町(丹生水銀鉱山跡及び周辺里山)
参加者:貝發憲治、塩崎哲哉、加藤修朗(3名)

第2回目の採集会は丹生水銀鉱山跡の周辺で実施しました。名古屋市内から高速道路(名古屋IC)を利用して勢和多気ICを降りて、おきん茶屋で貝發先生、塩崎先生と待ち合わせをしました。おきん茶屋は天保三年(1832年)創業の、地元では有名なお茶屋さんとのことです(老舗ドライブインと言った感じでしょうか)。おきん茶屋からは貝發先生の誘導で丹生水銀鉱山跡へと向かいます。通り道に丹生大師があり、コロナ渦でありながら賑わいを見せていました。さらに進むと農道沿いには多くの紫陽花が植えられていて満開の花を咲かせていました。丹生大師の賑わいは紫陽花の花見客だったのです。さらに車を進めると目的地の丹生水銀鉱山跡に着きました。そこは大きな駐車場が整備されていましたが我々以外の車両は殆どなく、先ほどの丹生大師の賑わいが嘘のようです。史跡とはこの様なものであろう・・と思いました。

記念撮影  水銀鉱山跡へクモ採集をしながら進みましたが周囲は杉林で下草が少なく、そのためか、これといった大物は目につきませんでした。特徴のある幼体を採集したので貝發先生に見てもらうと、アオグロハシリグモと教えて頂きました。アオグロハシリグモは特に珍しくないとおっしゃっていましたが、名古屋市近郊では見かけないクモです(帰宅後に触肢を調べた結果、アオグロハシリグモ雄の成体と同定できました)。このクモが水源近くに棲むことは知っていたので周りを見渡すと、50m程離れ所に小川が確認できました。水源から少し遠い気もしますが連日の雨(梅雨)が関係するかもしれません。気が付くとすでにお昼を過ぎていました。昼食は駐車場で済ませて、午後からは水田付近の調査に入りました。程なく貝發先生が今年初のコガネグモの雌成体を見つけました。証拠写真を撮影しましたが採集は行いません。大型のクモは標本にすると大きなスクリュー管と保管場所を必要とするので、個人的に採集を避ける傾向があります。採集して同定し標本を残すべきだと分かっていますが・・。

ユアギグモ  終了予定時間が近づいたので駐車場に戻ると、塩崎先生からユアギグモが多数見つかったと報告がありました。私はユアギグモを採集したことが無いので、喜び勇んで塩崎先生について(水銀鉱山跡とは水田を挟んで向かい側です)杉林に入って行きました。ユアギグモは杉の根元にある窪みに、緻密な造形物ともいえる円盤型UFO形の網を張っていました。(木の根元は多種のクモ幼体が網を張る場所と思い何時も調べない盲点です)。ひとたび見つけると、あちらこちらの木の根元にユアギグモの網を見出すことができました(もしかしたら何処にでもいる普通種ではないかと思い始めました)。糸は細くライトを当てないとユアギグモの網とは判別できませんでした。三重県は来るたびに新たな発見があり魅惑的な地域であることを実感しました。次回も丹生での採集会と決定しましたがシーズンが変わってどんなクモと出会えるか楽しみです。【加藤 記】


このページのトップへもどる

活動の記録へもどる

ホームページ トップへもどる

inserted by FC2 system