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2019年度第2回採集観察会の報告

期 日:2019年6月16日(日)
場 所:三重県御浜町阪本の里山
参加者:貝發憲治,加藤修朗,熊田憲一,塩崎哲哉(4名)

 梅雨時の採集会は予定を変更することが多く,対応にヤキモキする.15日の松阪市はやっぱり大雨であったが,名古屋の加藤さんが前泊で来ているはずなので,夜20時に確認の連絡を取る.すると,御浜町は天気が回復して雨は降っておらず,夜間観察をしているとのことであった.明日は曇りのち晴れの予報が出ており,やれやれの気持ちで床についた.

 16日は逸る心で5時50分に出発,高速道を南下して8時20分に折山神社に着いた.集合時間は10時であるが,既に加藤さんの車があり,電話すると山道で観察中心の採集をしているようだった.私も早速採集の準備をして神社の付近を歩いてみたが,イノシシ除けの柵が厳重に張り巡らされておりほとんど採集できない.しかたなく車で500m程移動して,民家近くのスギ林で採集することにした.林床のシフティングでは,イタチグモやPiratula属のクモが少々採れただけだった.やがて9時10分頃に熊田さんが,40分頃に塩崎さんが前の道を通る.状況連絡をした後採集を続ける.大きなギンメッキゴミグモやサガオニグモの網が見つかり,ビーティングでは,計20種ほどのクモが入った.全般的に同じクモばかりで種数は少なかった.kinuamigumo最後に車道沿いの雑木や雑草をビーティングしていると,加藤さんが道を上ってきた.朝から村内をぐるっと回って採集観察をして来たとのこと.民家の石垣のところで採ったキヌアミグモを見せてくれた.やっぱりこの辺にはいるようだ.「名古屋から来た甲斐があったね.」と話しながら車で神社へ戻り,鳥居のところで加藤さんが見つけた数頭のムシバミコガネグモを観た.

 熊田さんと塩崎さんも採集を終え戻ってきたので,12時過ぎから神社前のベンチで昼食にする.続いて会誌46号の編集会議を行い,内容と形式などの確認や意見交換をした.また,8月の中部との合同合宿と学会参加,来年度実施予定の3同好会採集会の件について話し合った後は,お決まりのクモ談義となる.こうなるとなかなか話が終わらない.13時40分になったので話は打ち止め,午後の採集に入る.

それぞれまたお目当ての場所に移動,私は,柵の無い林道へ向かった.目視観察の後,しばらくして下りてくると,熊田さんが柵の向こうのカヤの樹に手や棒切れを延ばしてなにか必死に採っている.キヌアミグモの網が沢山あり,振動を与えるとすぐに落下するという.採れたクモを見せてもらい,よくよく探すと網がいくつもあることが分かった.記念撮影私もご相伴ににあずかり,写真撮影のため1頭をいただく.4月の採集会時に,7年前の談話会採集会で熊田さんが発見した「キヌアミグモのなる木」が伐採され,一面太陽光発電盤が並んでいてがっかりしたところであるが,今回そこから200m程離れた場所で熊田さんが再び「キヌアミグモ鈴なりの木」を発見したのである.どっこいキヌアミグモはしたたかに生き延びていてくれたのだ.この上もない喜びであった.

 15時30分に本日の採集会は終了.熊田さんはバンド演奏の世話のため,加藤さんは遠方のためすぐに帰られた.私は塩崎さんといろいろな話をした後,久しぶりに旧国道を通り,矢の川峠越えで帰路についた.今日も充実した1日であった.  (報告者:貝發)


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