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2018年度第4回採集観察会の報告

期 日:2018年11月18日(日)
場 所:四日市市曽井町神前丘陵
参加者:貝發 憲治、加藤 修朗、熊田 憲一、塩崎 哲哉、武藤 茂忠(5名)

 私は名古屋市内から東名阪自動車道を約1時間の距離を運転して採集観察会場の四日市市曽井町付近へ向かいました。途中お昼のお弁当を仕入れるためにコンビニエンスストアに入ったところ偶然にも貝發先生と遭遇!貝發先生と少し早いかもと話しながらもそのまま採集会場へ向かうことにしました。採集会場には皆遅れることなく集合(熊田先生が時間通り到着したのには皆驚きの様子、何時もなら開催時間前に採集が一通り終わっている・・らしい(笑))。今年最後の採集観察会は快晴の秋空の下で実施となりました。

記念撮影 貝發先生の始めますかの号令以下、水田に入るもの、畑に向かうもの、山へ向かうもの・・蜘蛛の子を散らすように消えて行きました。三重の観察会参加は3〜4回目になりますので、この観察会のスタイルには慣れてきました。始めて柴田さんと来た時は唖然としたことを覚えています。中部蜘蛛懇談会の観察会は初めて参加する方も多いので皆で纏まって移動しながら観察採集をしていくスタイルなので“ひとりぼっち”になることはありません(笑)。私は水田に入り新兵器の設置に取り掛かりました。新兵器はブルーシートの四隅をロープで杭を結び付け、シートの中心部がすり鉢状に凹むように杭を打ち込みます、ムネグロサラグモのハンモッグ網を想像して頂ければ分かりやすいと思います。この新兵器の中にリターごと蜘蛛を投げ入れると、すり鉢の底に落ち込んだ蜘蛛達は逃げることが出来ず(または逃げる速度が落ちる)、一網打尽で捕獲できる予定でした・・が、設置が終わるや否やコモリグモが自ら新兵器の中に飛び込んできました、すると私をあざ笑うがごとく、シートの傾斜など関係なく走り去って行くではありませんか・・3千円程の費用と多くの時間を費やした新兵器は瞬時にして役に立たない事を露呈してしまいました。この新兵器はボツ企画として今後皆様の目に留まることはないでしょう・・新兵器を使うこともなく100円ショップで購入した水切り籠を手に水田の中で無心にシフティングを繰り返して・・ふと気が付くと12時近くになっていました。

クモ談義 腹時計は正確なようで、ほどなく皆が集合場所に集まって来ました。お昼を取りながら蜘蛛談議となり、ハリゲコモリやアシナガグモの幼体の見分け方の話があったので、今更聞けないイオウイロハシリグモの幼体の見分け方について確認させて頂きました。私は中窩にあるV字型の模様で判断していましたが、熊田先生より大体合っているとの回答を頂き安心できました。お昼休憩が終わると、午後の採集会が始まりました。私は午後の採集は農道沿いでリターを調べました。ヤハズハエトリやヨダンハエトリの亜成体を採集できたので、ここぞと以前からの疑問「ヨダンハエトリを液浸標本にすると色抜けが激しい」を熊田先生に尋ねてみたところ、これは色素ではなく構造色なので乾かせば元の色に戻ると教えて頂き、思わず・・おおっと驚嘆。午後の採集会も終わりに近づき段々と皆が集合場所に戻り始め成果物の見せ合い(自慢しあい(笑))を始めました。すると塩崎先生がヒゴユウレイグモを採集できたと管瓶を出してきました、もちろん皆が集まり口々に多分ヒゴユウレイグモだねと、私も見せて頂きましたが属が違うといえどもユウレイグモ科と思えない可愛いらしさでした(日本蜘蛛学会46回大会(名古屋開催)で緒方さんに標本を見せて頂きましたが、生体は初めてです)。ヒゴユウレイグモだとすると三重県初記録とのことで、同定結果が出るのが楽しみです。

今回の観察会も始めて目にする蜘蛛や色々な情報を教えて頂き大変勉強になる観察会でした。個人的には水田内の蜘蛛で同一種が沢山採集出来て、大きさや模様、色合いの違いを確認できてとても興味深い結果を得ることができました。来年も先生方のお話を聞けることを楽しみにしております。【加藤 記】               


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