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期 日: | 2013年12月7日(土) |
場 所: | 竹輝銅庵(ちっきどうあん)2F特別室 |
参加者: | 橋本理一,貝發憲治,熊田憲一,前原晋,太田定浩,柴田良成, 塩崎哲哉,角野智紀(計8名) |
2013年12月7日(土),三重県松阪市のR42沿いにある喫茶店「竹輝銅庵」の2F特別室にて2013年度同定学習会が行われました.私(角野)は初参加,中部蜘蛛懇談会事務局の柴田さんにも名古屋から駆けつけて頂き,今回は総勢8名での開催となりました.
午前10時に集合し,まず三重クモ談話会の橋本会長による開催の挨拶や貝發事務局長から今年度の活動内容等についての連絡があり,その後,各人が自己紹介がてら現在抱えている課題や日頃から抱いている疑問等を挙げていきました.
内容はやはりクモ同定に関することが多かったのですが,標本の保存方法や標本保管時に用いている資器材,写真撮影方法,同定に役立つ文献とその使い方,クモの生態など多岐に渡り,それぞれについて活発な議論が展開されたため,クモの標本を見る暇もなく気が付けばもうランチタイムでした.
昼食を取りながらもクモの話に花が咲き,12時40分頃からようやく各々が持ちよった標本を観察しながらの同定学習会が始まりました.クモの先達たちの傍らで実際に実体顕微鏡を覗かせて頂き,画像や資料で同定のポイントを解説して頂くのは,自分一人で文献等を繰りながらああでもないこうでもないと苦悶しながら同定するのとはわけが違います.同定職人たちの説明にふむふむと感心したり,ほほうと驚いたりしながら,またとない機会とばかりに大いに勉強させて頂きました.
特に印象的だったのがサカグチトリノフンダマシ,ツユグモ,シノビグモなどの標本で,今まで図鑑でしか見たことがなかったこれらの姿に大興奮しました.また,中国の東北地方で採集されたオニグモのサイズの大きさには目を見張るものがありました.この他にも様々な希少なクモ標本を堪能させて頂いたのですが,その後にもう一つ思わぬ眼福にあずかりました.三重県四日市市では1995年に初めてセアカゴケグモが発見されたのですが,何とその際の標本を拝見することができたのです.予期せぬ対面に感激もひとしおでした.
午後2時から約30分間のコーヒーブレイクをはさみつつも参加者の学習意欲は留まるところを知りません.未同定標本の種名やある種のクモに見られる変異など様々な疑問点について白熱した議論が繰り広げられましたが,午後3時30分を持ち本年度の同定学習会は終了となりました.
今回この同定学習会に初めて参加させて頂きましたが,内容が濃く,見るものや聞くことの全てが有意義で非常に勉強になりました.次の機会があればまたぜひ参加させて頂きたいと思います.少し希望を言うならば,今度はもう少しレベルを下げて(私のような)クモ初学者でも親しめる「クモの(科レベルまでの)基礎的な同定講座」のような座学を開催して頂けると嬉しいです.
最後になりますが,会場設営ならびに運営等でご尽力下さった三重クモ談話会事務局の皆様に厚く御礼申し上げます.[角野 記]