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2013年度第4回採集観察会兼RDB調査の報告

期 日:2013年9月1日(日)
場 所:伊賀市下友生,三重県上野森林公園
参加者:太田定浩,貝發憲治,熊田憲一,前原晋

 今回の採集観察会は,RDB調査を兼ねて三重県上野森林公園で行いました.県の管理地であるため,公園内における行為については条例で厳しい規定が設けられています.そのため,7月上旬に細かな採集観察の申請書を提出して許可もらい,準備を整えました.

 当日は台風接近の予報がでており,暴風雨警報が出ると規定によってただちに公園内の活動は中止となるため,あらかじめ大事を取って予備日に変更するかどうか随分迷いましたが,運よく台風は温帯低気圧に変わり,朝から薄曇りの天候であったため,計画どおりに実施することになりました. 伊賀鉄道「市部」駅で,太田さんと前原さんを車に乗せ,コンビニに寄った後,10時15分に公園駐車場へ着きました.

 熊田さんは既に付近の観察をしながら待っていました.RDB候補種のスズミグモとマルゴミグモを見つけたということなので,我々も急いで採集準備をし,4人で記念撮影をした後,さっそく駐車場横で巣に卵のうを付けたスズミグモを確認,写真に収めました.スズミグモ

 管理事務所でいつもお世話になっている職員の坂上優子さんが待っておられるのと、本日のメインは公園内に定着したらしいカトウツケオグモを確認することであるので,先を急ぎたいところですが,すぐに採集や写真撮影が始まりなかなか前へ進めません.やっと11時前になって事務所で坂上さんに挨拶,1日同行してくださるということで,5人で出発しました.しかし,事務所を一歩出るのと同時に激しい降雨となり,採集どころではなくなりました.採集用具等をすべて事務所に預け,カッパに管瓶だけを持った姿で,まずはカトウツケオグモのいた「カブトムシの丘」へ行くことにしました.葉裏や樹皮上,地表部などを目視で観察しながら20分ほど進みましたが,あまりこれといったクモの姿は見られません.カトウツケオグモは2年連続でコナラとササの葉上にいるのが確認されているので、特に丘付近ではこの環境を入念に調べましたが,結局今回は発見できませんでした.雨も少し小止みになってきたので皆熱心にクモを求めて回ります.伊賀市で記録のあるコケオニグモやキノボリトタテグモ,アシナガカニグモなども念頭に置いて調査しました.オナガグモやニホンヒメグモ,ハエトリグモ類などを詳しく観察し,特徴あるマルゴミグモの巣も沢山見られました.

記念撮影  12時30分に事務所前のベンチに戻り,雨と汗でびしょ濡れになった体を拭きながら小休止,昼食としました.熊田さんのクモ談義を聞き,坂上さんがやっとのことで購入してもらった「日本のクモ」を見ながら皆で楽しく歓談,一息つく間に雨もパラパラ状態になってくれました.せっかく遠方まで来たのだからもうひと踏ん張りしようと,午後は15時前まで事務所の周りを採集することにして,各自思い思いに雨の中へ飛び出しました.私は種数を増やすために集中してビーティングをすることにし,枝葉をたたいたりすくったりしましたが,雨粒を採集しているようなもので,全く成果はありません.こうなると一気に疲れも出てきます.雨は相変わらず激しくなったり弱まったりの繰り返しで,らちがあきません.他の人も同じような期待外れの採集結果で,「雨の日の採集は,まあこんなものでしょう」ということになり,少し早めでしたが,14時40分に終了,坂上さんにお礼を言って帰路につきました.                                         [貝發 記]


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